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摂食障害リアル克服体験談

今現在摂食障害で苦しんでいる方に向けて、克服者がどのように治っていったのか、そして今どのように生きているのか、たくさんの事例を紹介します。

7.自分を好きになる「食」との付き合い方を見つけ、拒食症、非嘔吐過食症を克服 (こまり)

 

こまり(23)

ジュースバー店員

 

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プロフィール

栄養士、保健体育科教員免許所有、ジュニア野菜ソムリエ。

オーガニックジュースバーで勤務しながら、食育団体Mealinkに所属。 日々面白く情報発信する事を勉強中。 将来はビックなエンターテイナーになることが目標。

 

克服前

症状

拒食、非嘔吐過食

 

ダイジェスト

期間

状態

高3 (1年)

拒食

大1~大2 (2年)

ゆるい拒食

大3~大4 (2年)

非嘔吐過食

 

人生曲線

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原因、きっかけ

高校生の時にチアリーディング部に所属しており、同期の他の2人よりも強く美しくなりたいという思いから始めたダイエットが原因。

チアは人に見られる競技のため、演技の面ではもちろんだが、見た目の面も大事だった。

 

家庭環境

良好。4歳上の兄が一人いて、仲良し。親との関係も良く、両親同士も仲が良い。

両親は自由な教育方針で、勉強しろとか、門限は特になく、何でもやらせてくれた。

母親はいつも周りのことを一番に考えており、おおらかな人。

父親は自己中心的な面があるが、知識が豊富で論理的に話す人。

兄は、人の気持ちが読める人で、友達も多い。尊敬しており、兄のような人と結婚したいと思えるほどに大好き。

 

両親はずっと共働きで、友達の家に預けられることもしばしばあった。食事は作ってくれることも多かったが、全部ではなく、一部は買ってきた惣菜が並ぶこともあった。夜ご飯の時間は遅めで、8時くらいが多かった。

 

学校環境

【高校】

私立高校の普通科。進学校というよりも、中くらいの普通の高校。

友達も多く充実していた。

部活はチアリーディング部。中学では吹奏楽部だったが、ダンスを別で習っており、昔から人に見てもらったり、聞いてもらったりすることが好きだった。

 

性格

昔は、自己中で、自分が中心に世界が回っていると思っていた。小学校の時に、空気を読まずに自分勝手な行動をしたところ、クラスメイトから総無視され、性格が変わる。それからは、常に相手がどんなことを考えているのか探ったりするようになり、何かと気にしいになった。心配症。察する能力に長けている。承認欲求が強い。根が真面目。負けず嫌い。真っ直ぐな性格。

また、今はポジティブで明るいが、高校の時はネガティブ。常に「どうせ私だし~できない」という考え方をしていた。基本自分に自信が無い。

 

ダイエット

元々、ややぽっちゃり体型で、小学校で服のサイズなどを男子にいじられ、ぽっちゃりはダメなんだとは思っていたが、常に明るかった。

ずっと体型にコンプレックスがあったので、中学生のときからダイエットには関心があり、朝バナナなど、流行りのダイエット方法を色々試してみていたが、続かなかった。

 

高校2年生になり、チアの同期2人に負けたくない、もっと強くなると同時に痩せて綺麗になって注目されたいという思いから、本格的にダイエットを始め、朝りんご、とろろ昆布、食べ合わせなどを試す。

 

最初は母に作ってもらっていたが、だんだん自分で作り、家族とは別メニューを別の時間に1人で食べるようになる。

始めの方は、栄養士の本を参考に、一汁三菜などにしていたが、だんだんカロリー制限が厳しくなり、豆だけ、フルーツ、だけなどになっていった。

また、代謝を上げるために、学校でも1年中しょうがチューブや唐辛子を持ち歩いていた。

さらに、食べていないことを隠すために、嘘をつくようになっていった。

 

そのうちに高2の1年で10kg(56kg→46kg)減った。自分では上手くダイエットしたつもりだったが、気付けば生理は止まり、周りの人に心配されていた。保健室の先生に呼ばれて、何がなんだか分からないが、自分の決めたルールからどうしても抜け出せない自分に、涙が止まらなくなる。

 

その他

容姿のコンプレック

小さい頃から自分の顔があんまり可愛くないことは自覚しており、コンプレックスがあった。

 

克服中

完治までのプロセス

拒食(1年)→ゆるい拒食(2年)→非嘔吐過食(2年)→完治

 

各ステージでの「食」、「運動」、「生活」、「体」、「メンタル」の大体の状態

高3(1年)

拒食(163cm min35kg)

ほぼ1日1食。

偏食で、単品食いが多い。

きなこ、ヨーグルト、豆、ごま、鶏肉、ゆで卵など、体に優しいと思えるような許せる食材だけを組み合わせて食べる。

きなこでも、食塩が少しでも入っているものはダメなど、自分の中での食べ物への拘りが強かった。

 

学校では、お弁当を持っていくものの、食べない口実や嘘(保健室へ行ったり、先生に呼ばれているという嘘をついたり)を作り、ほとんど食べない。

 

何が入っているか分からないものは恐怖であり、食べられないため、外食は行けない。強制的に行かなきゃいけないときは、サラダのドレッシングがかかってないとこだけなどを食べる。

高3の学園祭でも、出店の食べ物は何が入っているのか分からないため、食べたくなく、人が来ない家庭科室に篭り、寝ていた。

 

厳しいベジタリアンを実践している方のブログを読み込んでおり、多大な影響を受け、常に体の中を綺麗にしていたい、悪いものは体に溜まるので怖いと感じていた。動物性、添加物、小麦粉を徹底的に避ける。

デトックスという言葉が大好き。

運動

朝と放課後にほぼ毎日チア部の活動。

その他毎日、自主的な筋トレとストレッチ。

生活

規則正しい。

朝5時に起床、2時間ほど筋トレとストレッチを行い、朝練、授業、放課後にまた部活。帰宅して入浴後、ストレッチ。10時就寝。

 

部活と食べ物をコントロールすることで頭は一杯で、友達に一緒に帰ろうと誘われても、早く帰宅してご飯のことを考えたかったため、断っていた。

 

数字に囚われており、少しでも体重に変動があると思ったらすぐに体重計に乗っていた。

 

休日は一人でベジカフェを巡る。その際も、とにかく無駄に歩く。

見た目はがりがりだったが、自分では元気ではつらつとしており、灼熱の中両手に野菜を抱えて2駅歩くなど、体力もあると感じていた。

しかし、波があり、元気な時と起きられない時がある。

筋肉がなくなって、チアで足が上がらなかったり、ジャンプが辛くなる。

髪の毛が抜ける。寒くて、夏でも長袖。生理が止まり、1年間全くこない。

メンタル

鬱になることもなく、食以外のことも考えられていたため、自分は正常だと感じていた。

睡眠と食事をコントロールして部活を頑張っている、自分の今の生活に自信があった。

夢があった。(有名になりたい、歌手やモデルとかいいかも)

 

大1~大2(2年)

ゆるい拒食(163cm 44~45kg)

朝 果物だけorスムージー

昼 ドライフルーツとサラダなど

夜 山盛りサラダ

 

最初の方は、学食は恐怖で食べられなかったが、途中から、そばだけは食べられるようになった。

 

体の中を綺麗にしておきたい、添加物を早く体から出したいという思いから、夜はデトックスとして調製していた

 

外食も最初の方は全くできなかったが、だんだん自分が安心して食べられるお店を選ぶことで、大丈夫になってきた。外食することで、人と時間を共有できる楽しさに気付いた。

また、外食の時だけは例外だから、量とかも気にしなくて大丈夫という考え方をするようになってきた。

運動

基本なしだが、電車賃節約のためもあり、めちゃくちゃ歩いていた

生活

規則正しい。必ず10時には就寝する。

大学の授業が1~5限フルで入っていることも多い。

高校と異なり、お昼は1人で食べられるので心地良かった。

 

友達とも遊ぶが、一緒に食事することは極力避けており、遊んでも、早めに解散して夜は家で食べることが多かった。

サークルはしていなかったが、地産池消マルシェでアルバイトをしていた。

高校と比べ、運動する機会が減ったからか、ジャンプが飛べないとかはあったが、拒食ピークの時よりも疲れにくくなった。

メンタル

ちょうどいい体型で、人とも関わっていて、悩みもない自分が好き。

自分を許せるようになってきた。この人生のほうが楽しいと思ってきた。

ちょっとずつ体重が増えていることには関心があった。

 

大3~大4(2年)

非嘔吐過食(163cm max61kg)

マクロビ、ローフードなら大丈夫と考え、それらを食べ過ぎるようになる。

 

よく食べるけど細い子と思われたくて、誰かが見ている環境である外食で過食することが多かった。

お店で気になったものは全部、この一回で食べきりたいと考え、尋常じゃない量を頼んで、お腹がぱんぱんに出るくらいに食べる。また来た時に食べるという概念がなかった。

 

大学の調理実習で食べる機会が増え、美味しいし、今食べないと後悔すると考え、お腹一杯だけど食べちゃうことが増える

家でも、あったらあっただけ食べる。

 

食べたいけど痩せなきゃと考え、焦って、朝食を抜いたり、カロリーカットのサプリやお茶、漢方を飲んでいた。

 

後半は食べ過ぎることに対して、罪悪感はなく、美味しく楽しく食べていた。

運動

体育の授業。

4年生の時にエイサーを始めたため、エイサーの練習と自主トレ。

生活

3年生になるタイミングで同じ大学の栄養学科に編入。

相変わらず授業はみっちり。

 

3年生から学生団体Mealinkに参加したり、4年生からはエイサーの団体に参加したりで、忙しく過ごす。

また、マクロビ系のカフェダイニングでアルバイトしていた。

健康

メンタル

超ハッピー。色々な人に出会って、世界が広くなる。より美味しいもの見つかるし、新しい自分を見つける。今までは容姿がコンプレックスで、有名になることを諦めていたが、今は食を通して伝えていくというやり方もあるなと考える。過食したときは落ち込んでいたが、鬱っぽくはならなかった。後半の方は食べることに罪悪感も無く、いいものを食べている自分が好き。

 

克服に一番有効だったこと

1.ビーガン、グルテンフリーとの出会い

拒食でとにかく食べることが怖かった時に、これだったら食べても大丈夫と思えた。自分に食べることを許す入り口になった。

 

2.エステに通う

非嘔吐過食で、60kgの大台に乗り、エステに通った。

食事の記録を見られることで、自分の過食について考えるきっかけになった。

それまでは、食べることを変えずにどうにかしようとしていたけど、結局、「自分の意志・選択が自分の体を作る」という気付きを得られ、毎回食べ過ぎないときがすまなかったのが、ちょうどいいというのを学んだ。

 

克服の転機となった出来事、重要だったこと

1.大学入学

自由が増え、自分でコントロールできる部分が増えたことで、気が楽になった。

自分の中の「こうでなくてはならない」が減ってきた。

 

2.様々な大人との出会い

アルバイトなどで、自分とは違う環境にいる、様々な大人と関わる機会が増えた。

彼らとの交流の中で、社会にはもっと楽しいこと、楽しい生き方は色々あるし、痩せる太る、食べる食べない、ということよりも、知っておくべきことが世の中には色々あったことに気付く。

また、自分は食べることが好きだったから、逆に食に対する意欲が高まって、病気になってしまったのだなと、純粋に食べることが好きな自分を受け入れることができた。

 

3.学生団体Mealink

大学3年生から学生団体Mealinkに参加した。そこには、自分と同じ悩みを持ち、ベジ食に興味を持つ同年代の子がたくさんいた。今までは、親や先生など周りの人に相談しても、実際は同じ経験をしていないということで、どことなく孤独感を感じていたが、Mealinkのメンバーとは、初めて同じ悩みを共有し、心から共感することができた。仲間を見つけた安心感があった。

また、自分の経験は生かせるのではないか、と前向きに考えるきっかけになった。

 

4.友達、家族

病気になってからも、友達が離れていったことは一度もなかった。

友達との外食で、食べることに対する恐怖よりも、一緒の時間を共有する方が大切だと思えるようになっていった。

また、家族は無理に食べろ、などガミガミ言うことなく、常に暖かく見守ってくれていた。

 

克服中に試したこと

治そうと思って何かしたことは特になかった。

唯一、レコーディング(食べたもの、目標、日記、悩み)と、生理が止まったので、産婦人科へ行ったくらい。

 

克服後

現在の生活 

(163cm 多分55kgくらい)

何でも食べられるが、食べ物の質やバランスは気にする

スムージー屋さんで働いているので、働いている時は朝昼スムージーとかになる。後の食事で、不足しているものを補う感じ。

3食しっかり食べる日はあんまりない。

 

間食はお腹が空いたら食べるが、食べるものには気を遣い、市販のお菓子やお土産はあまり食べない。

外食の時もなるべく体にいいものを選ぶが、基本は何でも食べられる。

 

基本は食べて自分にプラスになるものを食べるように心がけている。

運動

踊りが好きで、エイサーをしている(夏場は週3とか)。

生活

夜勤があるバイトもしているため、規則正しくはない。

 

今までは、必ず規則正しい生活をしなければならないと思い込んでいたが、自分の生活のルールを守ることよりも、みんなと楽しい時間を過ごしたいと思うようになり、オールなども普通にする。

 

規則正しい生活をした方がいいけど、必ずしもそうじゃなきゃいけないということはないと思っている。

肌荒れとかはあるが、基本健康。

メンタル

ポジティブ。明るい。

前職では、理想と現実のギャップを目の当たりにして、悩むことも多々あったが、今の職場になってからは、超ハッピーで、常に今が一番楽しいといえる。

 

ダイエット

痩せたい気持ちは常にあるけど、それが全てじゃない。最近はそれよりも、肌を綺麗にしたいと考えている。

体重は量らない。見た目が大切なので、数字に囚われる必要はないと考えている。

今を楽しむということが最優先なので、友達と深夜にラーメンを食べることも。

食べる前後での調製は大事にしていて、食べすぎは、スムージーやコールドプレスで調節している。

 

美味しくて体に良い食べ物への拘りはあるので、エンゲル係数が高くなってきて困っているが(笑)、自分の大切な体を作る食べ物に気を遣わない生き方は、自分を好きになれないからしたくないと思っている。

周りも食や美容に関心がある子が多く、みんなで綺麗になれる食事やお店選びを研究していくことが楽しい。自分のライフワークだと思っている。

 

人生の捉え方

自分を好きでいることが一番大事だと考えている。

自分が幸せでいることが、実は周囲の人々も幸せにする。

毎日の1つ1つの行動も、自分を好きになる行動を心がけている。

 

現在のお仕事について

スムージー屋さんで働いている。

自分が病気だった時に、最初に試したベジタリアン食がスムージーであり、元々常連客だったこの店は、素材への拘りが半端ないことを知っていた。この店のものだったら、何でも安心して食べることができた。

自分の病気の経験から、自分が心から安心して食べられるものを人にも食べて欲しいと思い、働いている。

 

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まとめ

「治った」の定義

食べ物のことしか考えられない状態から抜け出すこと。

1日の中で食べ物以外を考えている時間、食べ物以外に費やす時間が多くなっていく。

旅行の時みたいに、食べることだけじゃなくて、ここに行って、あれを見て、こんな写真をとって、など食べる以外の方向にも意識を向けられている。

 

また、今の自分が好きと言えること。

病気の時は、自分の人生を良くない方向に進めてしまっていることが分かっていたものの、修正できない自分がとても嫌いで、ぎすぎすしていた。全然人生が楽しくなかった。

 

振り返ってみて

貴重な経験が出来たと感じている。

当時は黒歴史にしようとしていた出来事も、今となってはわたしの大切な経験で、話の種になっている。

今なら、『経験して良かった』と言える。

同じ思いをした人、している人の気持ちや、その時周りに何を求めていたのか、なにより自分を知り、自分と向き合うきっかけになった。

 

メッセージ

大丈夫。

自分がなりたい姿を想像して、創造する。

私は母から『自分を好きになる行動をとること』を約束して、と言われました。

情けない、申し訳ない…そして何より自分がみじめだと思う日々。でもその時絶対見捨てない人が近くにいた事を今になって思い出します。

もう少し、周りに甘えて、もう少し、自分を許して、『自分を好きになる行動』を、私と一緒に少しずつ増やしていきましょう。

 

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