摂食障害リアル克服体験談

今現在摂食障害で苦しんでいる方に向けて、克服者がどのように治っていったのか、そして今どのように生きているのか、たくさんの事例を紹介します。

【摂食障害】自分の意識を病気以外に向けてみる

 

皆様いかがお過ごしでしょうか。私は冬生まれということもあり、だんだん寒くなってくるこの季節が大好きなので、毎日とても気持ちよく過ごしています。

 

さて、昨日の記事で今までトータル10人もの克服者の方にお話を聞くことができました。

お話を伺った皆さんの摂食障害が治って本当に良かったなと思うと同時に、表に出てこないだけで、世の中には摂食障害を克服して、輝いていらっしゃる方がたくさんいるんだという確信を持つことができました。

 

今も毎日摂食障害に苦しんでいる方は多いと思います。「治そう」ととにかく頑張っていらっしゃる方も多いことでしょう。

摂食障害克服にあたり、「治す」という意志を心のどこかに持ち続けることは大切なことです。しかしその一方で、時にその強い意識が邪魔になることもあるので、今日はその辺りを書こうと思います。

 

 

私も、とにかく「絶対治すぞ」と思い、ありとあらゆる方法を試してきました。食事療法や運動療法、本を読み漁る、などとにかく摂食障害を治すことだけに集中して、行動していた時期がありました。1回治すことに集中して取り組めば、必ず治るはずだと思っていました。

 

しかし、毎日摂食障害を治すために生活すればするほど、余計に過食したり嘔吐したりしてしまう。自分でもこんなに頑張っているのになんでなんでとイライラと涙が止まりませんでした。

そんなある日、また過食嘔吐してしまい、いつもなら嫌悪感と罪悪感、やるせなさに打ちひしがれているのですが、なぜか頭にある考えがぽんと浮かんできました。

 

「まあいっか、もう治そう治そうとするのをやめよう。病気を治すためのものを一旦全部やめよう。」と。

 

そこからは、なるべく摂食障害について考えることを減らしていきました。摂食障害だから、規則正しい生活リズム・食事リズムを心がけなきゃと考えていたこともやめました。摂食障害克服に良いと思ってやっていた運動も、治るために読んでいた本もやめました。

その代わりに、「摂食障害が治るかどうか」抜きに、やりたい、こっちの方が自分にとって心地良いと考えることをやりました。具体的には、バスケ、たまに不規則な生活リズム、友達との飲み会に行く、好きな本を読むなどです。もちろん、その過程でもまた症状が出てしまうこともありましたが、1回治そうとすることを辞めていたので、前よりも気持ちが楽でした。また、そうするとだんだんと「摂食障害の自分」の部分が少なくなっていくんですよね。ああ、普通の人と同じように生活できているじゃん、と。これが結構大事です。どんどん「摂食障害の自分」の部分を少なくしていく。

 

病気以外に意識を向ける行動で、私のおススメは旅行。特に海外旅行です。

振り返ってみれば、私の摂食障害が劇的に良くなったのは、留学中、特に周辺の国を旅行中でした。旅行中は、色々なものを見たり、体験することが多いので、「摂食障害について」考えている時間が短くなります。もちろん、旅行って自分が許せる食べ物を手に入れられないこともあるし、食べる状況になって過食スイッチ入りそうだし、太りそうだし、とにかく怖い気持ちは分かります。でも、旅行って病気以外に意識を向けるのにすごく効果的だと思うのです。

 

私が初めて旅行っていいかもしれないと思ったのは、大学2年生のときでした。行き先はトルコ。友達と行くのは一緒に食事することが怖かったので、HISの学生ツアーに1人で申し込みました(単純に決めたのが直前すぎて誰も捕まらなかったってのもありますが笑)。

10日間の旅行中、1回吐きました。案の定症状は出てしまった。でも、それ以上に、本当に見るもの体験するもの何もかもが新鮮で楽しくて、ツアーで仲良くなった人と語りあうのも楽しかった。いつも「摂食障害を治すこと」で頭がいっぱいだった私が、もっと知らない景色を見たい、もっと色々な人と話してみたい、とその時は摂食障害以外のことを考えることができました。この一歩は後の留学、旅行に繋がる大きな一歩だった気がします。

 

行くと決めるまでは本当に怖かったです。太ったらどうしよう、過食嘔吐が悪化したらどうしよう、とぐるぐる考えていました。でも、旅行中に食べられなくなっても、過食しても、吐いちゃってもいいや!と思って行きました。結果的にその開き直りは大事だったと思います。

 

もちろん旅行じゃなくても何でもいいと思います。大事なのは病気以外に意識を向けること。もちろん、他のことに何にも意識をむけられないからこうなっているんだよ、ということも分かります。でも、何か少しでもやってみたら、もしかしたら何か変わるかもしれません。

 

勘違いして欲しくないのは、「治す」という気持ちは必要だということ(個人的にはそう思います)。開き直りは有効なことも多いのですが、永遠に開き直っていたのではなかなか克服できないんじゃないかな。

本当に難しいと思うのですが、治す気持ちは持ちながらも、あえて治すことばかりに目を向けない。摂食障害になる人って、集中したらそれだけになる人が多い傾向にあると思うのですが、それがこの病気を治すことにあたっては、逆効果になることもあるのです。あえて集中しない、放置して別のことに意識を向けることも効果的だったりもします。

 

ここまでまとまりなく、ぐちゃぐちゃと書いてきましたが、最後に、今伝えたいことは、今辛いあなたも大丈夫。治って、人生の美しさを味わい、あの頃の自分を愛おしく思える日が来るから。だから、辛くても、信じて歩み続けてほしい。たとえあなたが自分のことを信じられなくても、私を含めこのブログに登場してくださった方々はあなたの治る姿を信じています。

 

皆様、今日も1日お疲れさまでした。頑張った自分を労わり、ゆっくりとおやすみください^^