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摂食障害リアル克服体験談

今現在摂食障害で苦しんでいる方に向けて、克服者がどのように治っていったのか、そして今どのように生きているのか、たくさんの事例を紹介します。

6.20年以上苦しんだ摂食障害が治った今、とても幸せです(鈴木理美)

 

鈴木理美(40)

音楽家

 

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プロフィール

フリーランスファゴット奏者。 また、ルノルマンカード占い師、大麻飾り職人としても精力的に活動している。 趣味は読書。好きな食べ物は八朔。

 

克服前

症状

拒食、非嘔吐過食、鬱症状

 

ダイジェスト

期間

状態

17歳~18歳の夏(1年半)

拒食

18歳の夏~29歳(10年)

非嘔吐過食

29歳~39歳(10年)

拒食と非嘔吐過食の繰り返し

 

人生曲線

 

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原因、きっかけ

痩せたくて始めたダイエットと、構ってほしいという幼い頃からの思い、自分の完璧主義的な性格が加わった。

 

家庭環境

両親と弟の四人家族。

長女で、勉強もでき、ほっておいても自分で何でもできる、いわゆる手の掛からない「良い子」だった。それと対照的に、弟はそんなに出来る子という感じではなく、親に世話を焼いてもらっていた。

そのため、幼少の頃から、両親、特に母親に構ってもらっていないという思いが強く、何で弟の話は聞いてあげるのに、自分の話は聞いてくれないのかという漠然とした疑問があった。

親子関係は悪く、親に何かを相談することはできなかった。

 

学校環境

【中学】

1年生の時にいじめられていた。そのため、ずっと本を読んでいた。2年生でクラス替えがあり、いじめは収まる。部活は演劇部に所属。

 

【高校】

小・中と勉強が好きで出来たため、進学校に通う。高校以降はあまり出来なくなる。

きらきらグループではなかったため、引け目を感じ、クラスはつまらなく感じていた。

そのため、吹奏楽部の活動に力を入れ、同じ部の友達と仲良くしていた。

 

性格

生真面目、頑固、几帳面、基本ネガティブ、完璧主義(どこまでいってもやめられず、エスカレートしてしまう)

 

ダイエット

拒食になる前、中学校の時にダイエットをしてリバウンドした(10キロ減→15キロ増)。

高校生になってからも、痩せてないといけないという世間の風潮、高校生になってむっちりしてきたこと(それでも普通体型)、痩せればなんとかなるという考えから、痩せたい願望が常にあり、ダイエットを始めた。

最初は夜ご飯を抜く、昼の弁当を半分にする、などしていた。

 

克服中

完治までのプロセス

拒食(1年半)→非嘔吐過食(ピーク)(10年)→拒食と非嘔吐過食の繰り返し(10年)→完治

 

各ステージでの「食」、「運動」、「生活」、「メンタル」の大体の状態

17歳~18歳の夏(1年半)

拒食(min 30kg)

基本食べない。

食べるものは野菜、枝豆、調理法によっては肉など、全体的にあっさりとした年寄りみたいな食事。カロリーは特に決めていなかったが、数100キロ程度しかとっていなかった。

高2の12月に30キロをきりそうになったため、血液内科に入院したが、入院中もあまり食べなかった。

運動

ウォーキング、階段昇降、自転車など、強迫観念から過剰運動。

限界まで痩せすぎ、痩せづらくなってきても、足りないと考え、更に食べずに過剰運動をする。

生活

痩せていく段階は普通に通学。

高2の12月に入院。入院後の1月2月は通学。

その後2ヶ月休学、その後は通学

勉強しなくてはという強迫観念で就寝が夜遅くなることも。

メンタル

全能感。ハイ状態。

痩せるのはいいことだし、自分は健康で動けるし、ちゃんと勉強もしているし、普通、何も困ったことない、みんなに心配される筋合いないと思っていた。

親に食べろと言われるのが嫌だった。自分を太らせようとしていると感じていた。

 

 

18歳の夏~29歳ごろ(10年)

非嘔吐過食(max 80kg,その後は70kg台をうろうろ)

手当たり次第に何でも食べていた。

毎日、ほぼ三食過食。

自炊はせず、学食やお弁当、おにぎり、パン、お菓子などジャンクなものをたくさん買ってきて一時間くらいで全て詰め込んで食べていた。

                                   

特に過食のスイッチはなく、普通の食事後、習慣的に沸きあがってくる衝動に耐えられなくなり、過食。

 

吐こうと思っても吐けず、帳消し行為としては、かろうじて朝食べないときがある、歩く、くらい。

運動

通学や散歩で歩く。

強迫観念があり、毎日常に何時間歩くか考えていた。

生活

【高校】

学校に行かなくなる(食べていないと、いてもたってもいられないのと、急激に太ったため)。そこから卒業まで基本は学校へ行かなかった。

【大学】

部活に精を出し、大学と家との往復。

過食はしていても、生活リズムは特に乱れなかった。

【25歳から29歳】

イタリアへファゴットを学びに音楽留学。

鬱状態になる。ある日突然目覚めた後に起き上がれなくなり、部屋に一週間篭り、その後も鬱々としていた。

相変わらず過食もしていた。(大量のクッキー、ビスケット、パスタなど)

メンタル

辛い。何で食べちゃうか分からないし、食べたら落ち込むのが分かっているけど、やめられない。ああと思いながら食べて、食べ終わってまたああと思う。

自分は何をしているのか、自分を律することのできない自分に対して自己嫌悪。無力感。

 

イタリア留学中は、練習時間が長い楽器留学の自分と比べ、練習時間の短いオペラ留学の人たちが楽しんでいるように見え、羨ましく、自分は何をしているのかともやもやしていた。

また、音楽なんて、卒業しても仕事の保証はないし、自分は何をしているのだろうと鬱々していた。

また、自分には恋人がいたことないのに、どんどん周りが結婚していき焦っていた。

早く日本に帰りたかった。

 

29歳~39歳(10年)

拒食と非嘔吐過食の繰り返し(70kg前後くらい)

過食の時は、ピークの時の量とあまり変わらずに食べる。

 

過食で太ってきたら拒食に切り替えていた。

拒食の時は食事を減らし、米は食べない。

 

繰り返しのスパンは短い(1ヶ月くらい)。

運動

ストレッチや歩く。強迫観念あり。

生活

29歳の時に帰国。

文化庁やコンビニで働き、規則正しい生活。

過食で生活が乱れることはなかった。

メンタル

自分が生きている意味あるのか、自分は何をやっているのか、という思いでいっぱいだった

死にたいという思いが強く、自殺未遂も行う。

 

 

克服に一番有効だったこと

自分の人生・存在意義、食事に対する考え方を変え、孤独感から抜け出すこと。

考え方を変えたのは人、本との出会いである。

                                                                                    

1.自分の人生・存在意義に対する考え方を変える

震災関連の本の中で、津波から逃げて助かった人のインタビューを読んだ。その人が、自分はたまたまこっち方向に行ったから助かったが、あっち方向に行ったら助かっていなかったと言っていた。

その話から、人生は選択の連続であり、実は自分は一つ一つの選択を潜り抜けて、生かされているのだと思った。そして、こんな自分でも生きているということは何か意味があるのではないかと思うようになった、

また、たまたま好きなバンドの曲に同じようなことを言っている歌があり、自分の中で何か繋がって、腑に落ちた。

 

その一つの気付きから、連鎖的にどんどん気付きを得ていった。

すると、不思議なことに自分の周りを取り巻く状況も変わっていき、出会う人も今まで出会ったことのないような、ありのままの自分を認めてくれる人が増えてきた。

今まで自分のことが、全て、存在自体、生物としても女としても大嫌いで、早くいなくなりたいと思っていたが、自分を認め、好きになってあげることができるようになってきた。

 

2.食事に対する考え方を変える

三食食べなければいけないという拘りを捨て、人間も動物なのだから、食べたいときに食べればいいという考えにした。

時間だから食べるのではなく、自分の体の欲求に従い、食べたい時に食べるようにしたら、過食や拒食が気にならなくなってきた。また、だんだん不必要に欲さなくなってきた。

 

3.自分は一人じゃない、孤独じゃない、というのを感じる

誰にも分かってもらえない、誰にも言えないというのをやめてみる。意外とちょっとでも分かってくれる人はいる。自分を自分で孤独な世界に向けない。

また、甘えられないというのをやめる、人って案外頼られたら嬉しいもの。最初は、この人だけには弱音を吐いてみようという風にしてみて、徐々に甘えられることのできる人を増やしていく。

 

克服の転機となった出来事、重要だったこと

1.人との出会い

読書会で気の合う人と知り合った。本の趣味がとても合い、色々な本を紹介してくれた。また、あるバンドのライブに一緒に行き、とても楽しく、世界がどんどん広がった。

それからも、ピンときたことに色々参加しているうちに、気付きを得られる出会いにたくさん恵まれるようになった。

 

2.本との出会い

震災関連の本(タイトルは不明)

『幽霊人命救助隊』(高野かずあき著) 

「未来が分からないのに絶望できない」というフレーズにはっとした。未来のことなんて分からないのになんで自分は勝手に悲観しているのかと思った。

 

※その他おすすめの本

『愛するということ』(エ―リヒ・フロム著)

愛する人に。』(石井ゆかり著)

『拒食症・過食症対人関係療法で治す』(水島広子著)

摂食障害の不安に向き合う』(水島広子著)

 

克服中に試したこと

・家に食べ物をおかない

もし買いに行ってまで食べたい時は、相当なのでしょうがないから食べる、買いに行ってまでなら食べなくていいと思えるならそれでいい。指標として使える。

 

・食べ過ぎても、その後食事を抜かない

必ずどっかにしわ寄せがくる、我慢して無理やり抑えつけるのではなく、お腹が空いたら普通に食べる。

 

・お惣菜でもちゃんと皿に移す、綺麗に盛り付ける

小さなことから自分を丁寧に扱うことを増やしていく。

 

克服後

現在の生活

食べたい時に食べる、食べたくない時は食べない。

満足するまで食べる。罪悪感はない。

できるだけ自然のものを食べ、添加物が多いもの、ジャンクなものなど不必要なものを食べない。

選べる時は質の良いものを選ぶ。お菓子もできるだけ質の良いものを。

感謝して食べる。(食材自体、食事を作ってくれた人、食材を育ててくれた人など、どんどん遡っていくと適当に食べていいものではない)。

運動

歩く、趣味でバトミントン

強迫観念からではなく、体動かすと気持ち良いし、楽しいから続けている

生活

バイト、楽器演奏の仕事、プライベートで忙しい。

ピンときたら動くようにしている

メンタル

穏やか。怒ったり焦ったりとかはない。楽しく、幸せ。毎日何が起きるかわくわくしている。

落ち込むこともあるけど、落ち込む出来事も、何か学び、成長できるし、乗り越えられるから起きるのだと捉えている。

 

ダイエット

ダイエットを気にして何かするということは特にない。

太るからやめようとかはなく、やりたいからやる、食べたいから食べるようにしている。

そうしていると不思議なことに自然と体型もすっきりしていく。

 

人生の捉え方

やっときちんと治ったことで、このために自分は生きていたのだなと思う。今が幸せなのはそのおかげ。

人生の出来事、出会う人全てが必然で、一つ一つに学びがあり、意味がある。

事実は一つかもしれないけれど、捉え方次第で世界の見え方が異なってくる。

過去の捉え方も自分の見方次第で変わる。

昔は、自分が摂食障害になったのも、彼氏ができないのも全て親のせいだと思っていた。

しかし今は親のせいではなく、私だから、なるべくしてそうなったのだなと思う。誰かに何かを伝えるため、必要だからなったのだなと思う。また、親に対しても、親は親なりに一生懸命育ててくれたんだな、親も人間だから完璧じゃないし、初めての子供で大変だったんだろうなと捉えることが出来ている。

 

現在のお仕事について

フリーランスファゴット奏者として、演奏会に多数出演している。

お着物アンサンブルグループ、お着物トリオ「かじゅ縁」など、首都圏を中心に演奏活動を行っている。

2016年8月より徳島市在住。徳島市内カフェ、イベント等にも演奏場所拡大中。

 

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まとめ

「治った」の定義

囚われないこと。

体型や食事、これが良くてこれが悪いという風に決め付けない。

食べ過ぎても動けばいい、どんな自分も認める、など緩みが持てるようになること。

ある意味、一般的な感覚に戻ること。

 

振り返ってみて

辛かったこともたくさんあるけど、必要だったから、私だったから、病気になったんだなと思う。

同時に「痩せている=美しい」というのは違うなと思う。世間の風潮もあるし、そうじゃないとはなかなか思えないけど、それに流されすぎずに、私は私、私の人生は私しか生きられなのだと思う。また、ダイエットというのは女性が女性のためにするものなのかなと思う。

          

メッセージ

辛いと思うけど、決して一人じゃないです。

何かあったら何でも言って下さい。話を聞くことは出来ます。

人生に絶望はなく、この先何がきっかけでどうなるか分からないから、ありもしない未来に悲観するよりも希望を持ったほうが楽しいです。

そして、まず、過食の前でもそこにある食べ物に感謝をしてみる。難しいのは分かるけどやってみることが大事。何かが変わったらそこからは早いです。

また、食べたくなったら、美味しいお菓子を紹介します!食べた瞬間に本当に満足でき、にやけるお菓子があります!ジャンクを詰め込むのとは違う満たし方もあるんです。

本当に何かあったらなんでも言ってくださいね^^。

 

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